二十一世紀は沙漠の時代

鳥取大学名誉教授 遠 山 正 瑛

 アジヤの安定なくして世界の安定はない。世界の老大国中国はアジヤに王座する。日本は日中戦争で敗戦した。中国は12億余の人口をかかえ食糧不足に見舞れようとしている。中国政府は人口分布図で北方の黒龍江省黒河市と南方の雲南省騰冲市とを結んで赤線(デットライン)を引いた。赤線の東南部は国土の45%である。ここに95%の人口を占めるという不健全国家になってしまった。赤線の西北部分は沙漠地帯である。沙漠地帯の開発なくしては、中国の存立はむつかしくなってきた。私は昨年7月10日、北京中南海で国家主席の江沢民さんと会見した。通訳を交じえず二人だけで話合いをあいた。主席は私の沙漠開発に有難うございますと礼を述べられ、今後一層の御協力を願いますと明確な日本語で要請された。私は懸命死力をつくしますと心情をお話して別れた。中国の未来は沙漠の開発にかかっている。アジヤの安定は中国の安定、アジヤの安定は世界の安定に結びつく。食糧不足は弱肉強食の戦乱をよぶ。  内陸の沙漠には砂丘が王座を占めて、あばれ動く。砂丘を緑化安定させる手法は我々日本人にも多くの体験がある。日本砂丘学会の方々も強い御協力を戴ければ誠に幸であり、世界平和への道である。二十一世紀は沙漠の時代と確信している。

平成9年10月25日(土)開催「市民公開講座」テキストより転載